2017年9月29日金曜日

暴君を演じ続けるよりないということなのか

金正恩氏が暴君で、誰の言うことも聞かず暴走しているように見える。
だが、本当にそうなのだろうか?
それだけではないような気がしてきている。
朝鮮王朝の歴史ドラマというのを見ることが多いから、それからの類推である。

ドラマが史実に基づいているとは思わないが、ほぼその通りではなかろうかと思う流れというのが多々出てくる。
血腥い争いをして王朝を樹立した時に、功績のあった者を功臣として政権の重要ポストにつけるというのが常である。その子孫は既得権としてその地位を世襲した。
これらの重臣というのが揃いも揃って皆極端に悪い。王を取り込む権力闘争に明け暮れ、如何に王が暴君と呼ばれるほど強く見えても、これらの重臣が抵抗すれば、王は地位どころか命すら守れない。
たまにはやり過ぎた重臣が粛清されることはあるが、それは重臣同士の権力争いの結果であって、王が強いわけではない。
王位につけるのにも、出自(嫡出子であるかどうか)が問題視されるから、重臣たちの都合で担がれた非嫡出子の王であれば、立場は非常に弱い。いつも怯えている。
北朝鮮といえども、そういう朝鮮の考え方が根強く残っている国なのだと感じてしまう。
だから、そういう意味でも金正男は王朝を継ぐ正当性を主張するには邪魔な存在であった。
王位にとって目障りになりそうな王族は排除されてしまうのは、いくらでも出てくる。

金正恩氏がどこかで矛を収めようとしても、それを許さない勢力があるのかも知れない。
まあ、表面上は本人それ自体が異常なのだとは思うけれど・・・

北朝鮮が欲しいものはアメリカにしかない。
ロシアは信用できないと思っているから言うことを聞かない。コメコンに属していた国が、ソ連の崩壊したときにどんなことになったか。そういうことに対する嗅覚は鋭い。
中国は何千年にも渡って半島を苦しめてきた憎い敵であり、恨みというのを決して忘れない民族であるから、中国の言うことを聞くわけがない。

体制の維持のためにはアメリカを相手に譲歩を引き出す他ないと信じ込んでいる。
そのための核兵器保持でありミサイル開発なのであろうが、経済がいつまで持ちこたえられるというのだろう。
アメリカは核を使わない通常兵器による攻撃ででも、15分あれば北朝鮮を壊滅状態にできる圧倒的な戦力があるとされている。
周りから見ていれば、チキンレースなぞやってられないだろうにと思う。

民族に染み付いてしまった考え方というのは変えようがないということなのか。

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