2018年8月21日火曜日

不貞とは言わなくなった?

最近は、婚外での肉体関係を表すのに不倫という言葉を使い、不貞とは言わなくなっているようである。
「倫」」とは、人の守るべき筋道。人であったら踏み外してはならない道。
「貞」とは、心が正しい(貞しい)ことを堅く守ること。誠意そのものとも言えよう。
家門と血筋を重大事ととらえる社会にあっては、貞操というのは守られればならない規範であり、それは女性により強く求められた。子を産むということから止むを得なかったのかも知れない。
それもあってつい最近まで、「婚姻中の子供は夫の子と推定する」ということになっていたから、仮令離婚後であっても、女性の側は6か月を過ぎるまで結婚できなかった。

自由というものが重きを置かれるようになるにつれ、良いか悪いかは別にして、貞操観念というものは薄れてきたように思う。道徳感というものも変わってきたようである。
自由というものにだって自ずから限度というものはある筈だが、その限度というものについての共通認識や取り決めが無いのだから仕方あるまい。
夫婦間の最終的な信頼関係というか誠意というべきものは、貞操観念だと思うが、それはもはや重きをおかれる観念からは離れてしまった。

法としてはまだ残っているから、夫婦関係が破壊され離婚という事態に進むことはある。
不貞行為とは、裁判所によって「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性的関係をもつこと」と定義されています。
この定義によると、おおよそ世間で不倫といわれているようなことは不貞行為に当たるようにみえますが、実際はどうなのであろう。

不貞行為は法律用語であり、不倫や浮気は一般的な言葉である。法律用語である不貞行為は前述の通り民法770条1項1号にいう不貞(肉体関係)を指すが、一般的な言葉である不倫や浮気にはそのような定義はない。未婚であれば無制限ともいえる。

国語辞典(大辞林 第3版)の定義をみると、不倫は「男女の関係が人の道にはずれること」とあり、浮気は「妻や夫など定まった人がいながら他の異性と情を通ずること」と曖昧な表現になっています。
であるからして、不貞行為と不倫や浮気が違うかどうかでいうと違うということになるのですが、どう違うかについては、そもそも定義が曖昧なのであるから、こう違うと断言しづらく、考えても有意義ではない。自らを律することができず、自らの品性を貶めても構わないと言うのなら、後生がどうならうと知ったことではない。自分の責任で好きにしてくれとしか言いようがない。


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