2012年12月13日木曜日

旅人が或る町にたどり着くと


長い旅を続けた末、或る町に辿り着くと、町の入口に仙人のような格好の老人がいました。

旅を続けたきた若者が、その老人に尋ねました。

「この町は、どんな町ですか?」

すると老人が「ここに来る前の町は、どんなだったかね?」と尋ね返したのだとか。

「前の町は、皆意地悪で、自分勝手で、それは酷い町でした。」と若者が答えると、「この町も、それと全く同じじゃよ。」と、老人が言いました。

 

次にまた、旅の途中の若者がやった来て、同じ質問をしました。

「前の町は、皆親切で思いやり深く、住んでいてとても良い町でした。」と、答えると、老人は、「ここもそれと全く同じじゃよ。」と答えたのだそうです。

 

人は得てして、原因の一端が自分にあるのだとは考えないで、悪いのは全部周りの所為にしがちです。

「あいつは、どうも虫が好かない。嫌いだ。」と思って接すれば、相手も敏感にそれを察知して、それに輪をかけたような反応をします。

他人に親切な人は、周りの人も皆親切で優しいし、頼みごとだって聞いてくれることが多い。

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