2016年8月17日水曜日

胡散臭いというのはどんな匂いなのか判らないが

怪しげな話を「胡散臭い話」という表現をするが、胡散っていうのは何なのか知らずにつかっている。

胡散というのは、香辛料の一種であり、16世紀のペルシャで広く使われていたのだという。口にすると軽いトランス状態を引き起こす特殊な成分を含んでいたのだと言われるが、その当時はどんな料理にも必ず胡散が使用されていたらしい。
トランス状態を楽しみながら食事をしたということは、危険にも思えるが、酒に酔う感覚と同じ程度であったらしい。

ところが、胡散を大量に摂取すると深い催眠状態に陥るという厄介な性質が判ったことにより、胡散を悪用する輩が後を絶たず、17世紀初頭には深刻な社会問題に発展していた。
その為、胡散の臭いがする者は即ち悪人と判断されるようになり、胡散は香辛料としての商品価値をも失うに至った。
胡散の製造はおろか、原料となる植物さえ栽培されることがなくなり、現代では種子そのものまでもが絶えてしまったのだという。
だから、それがどんな匂いなのか判らないが、まことしやかに話をしても、眉に唾をつけて聞くような疑わしい気配を感じると、胡散臭いと言われて相手にされないことになる。

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