2017年1月26日木曜日

明るくさっぱりしている義母

今年90歳になる義母の言うことは、サッパリしていて明るいから、聞いていて面白い。

それなりに歳だから、入院していたときがあります。
見舞いに行った病院の病室の隣に、多少ボケたらしいお婆さんがいました。
安全の為だから仕方ないのですが、可哀そうにベッドに固定されていて、自分でそれを外すことはできない様子であいた。
妄想が浮かぶのか、私のことを旦那さん旦那さんと言ってしきりに呼ぶ。「孫が腹を空かせて待っているから、帰ってご飯の支度をしてやらなくてはならない。」と訴えるのである。
固定具を外してくれというのである。
ボケが来ている人には、一時的に気を逸らせるのが良いのだという知識くらいしかなかったから、「ご飯が済んだら、看護婦さんに外してもらいましょうね。」とか、次に呼ばれたときには「もう三つ寝たらね。」とか返事をするしか相手のしようがなかった。
すると、ベッドに横になって寝ている義母を見て「おばさん、おばさん。」と呼んで同様なことを訴えかける。
やおら義母は起き上がり、彼女の傍らに言って「あんた病気で入院しているんだから、帰れるわけないわよ。大人しくねてなきゃ駄目よ。」とあっけらからんと言ったのであった。
そのお婆さん「そうなの?駄目なの?」と神妙になったので、聞いていて驚いた。
何か変に説得力があったらしいが、こういう風にサラッとはなかなか言えない。


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