2017年3月12日日曜日

泣いて血を吐くホトトギス

幼い頃、ホトトギスが鳴く声を聞いて、母が話してくれたことである。
あれは、オトウト・キタカ(弟、来たか)と鳴いている。

むかしむかし、貧しい兄弟が住んでいた。
兄は体が弱くて働くことができなかった。弟は必死になって食べ物を集め、自分は食べられなくても兄のもとに食べ物を運んだ。
ある日、兄は自分がこんなに美味しいものを食べているのだから、弟はどんなに美味しいものを食べているのだろう?と疑いを持ち、弟を殺して腹を裂いてみた。
お腹の中には、何も入っていなかった。
兄は心から悔い、死んで鳥になった。それがホトトギスである。
だから、鳴くときに「弟・来たか」というようになった。

親は子供のために、自分は食べられなくとも尽くそうとし、子は親の恩義に報いようとする。
人とは、互いを思いやる心がなくてはならない。
教育勅語の全てが良いとは思わないが、その中核をなす心のありようは大事だと思う。
誤った使い方をしたら、どんなに有益なものであっても、難点はある。
自動車だって、凶器になりうる。
全てがよいものも、全てが悪いものも、この世にはあるまい。
如何に知恵を働かせるかということなのだと思う。

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