2017年3月10日金曜日

微細な模様を染める職人の技術は残していけるのだろうか?

もう50年以上も前になる高校時代の同級生であった熊谷博人氏は、司馬遼太郎氏の本の装丁を数多く手がけたことで知られているが、江戸小紋や和更紗の蒐集研究でも知る人ぞ知る実績をもっている。
先日、江戸小紋と和更紗の展示を催すと案内を頂いたので出かけた。
会場には所せましとばかりに数多くの展示があり、見に来ている人も溢れていた。

展示された小紋の反物や、それを染めるための型紙、型紙を彫るための彫刻刀などの道具類(これらの道具は、彫る職人が自分で作るのだという)には圧倒されました。
微細な模様を作る技術は、不断の努力と修行なくしては叶わないのだということは素人目にもすぐに理解できるのだが、将来に向かってこれらの伝統技術を伝えて行けるのかどうかが気になったので聞いてみました。
技術そのものであったら、それを継承しようとする人は、数は少ないとはいえ居るというのだが、そのことをもって生活できるかということになると、それは産業としてもはや成り立たなくなっているのだというのが答えでした。
優れた伝統技術というのは、こうして消え去っていってしまうのだろうか?
こういうところに予算を付けて文化を残し伝えることはできないものなのだろうかと思えて仕方がありませんでした。
熊谷氏はフェイスブックを開設しているので、のぞきに行けば、それらの写真を見ることができます。

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