2017年8月15日火曜日

改正のための順番も知らないでの質問?

初めに変な筋書きをつくってしまうと、議論の中での論理矛盾に対応できない。
「北朝鮮から攻撃されても無抵抗でいろ。」だの、「ミサイルを迎撃したら、その破片の方が心配だ。」だのとTVでコメントする人などは最初から相手にしなければよいが、

例えば、「民意を問うことなく憲法の発議をするのか?」という質問などは無視できない。
これは、法解釈を捻じ曲げるリードを意識していると思えるから、公共のテレビ電波を使って許される範囲を逸脱する。
局の方針で、どうしても番組内で憲法問題について論じたいなら、最小限一度くらいは全文読んでからでないと、愚かさを露呈して恥をかくことになるだけでは済まない。
憲法改正の賛否を決するための国民投票は、発議され審議された後に行われるのは、中学生でも知っている。

その国民投票についてさえ、イギリスのEU離脱を例に挙げ、愚かな選択をする危険性があるかのようなことを言うに及んでは、僭越極まりないことではないかと思ってしまう。
他国の事情を詳らかに理解しているとでもいうのか?
同様に触れるなら、K国の大統領選の結果にも注文をつけるのか?ということになるが、そんなことはしまい。

お偉いマスコミの望む通りの結果を出さないかも知れない国民は、馬鹿だとでも言いたいのか?
立憲主義を主張するのなら、ご都合主義では済まない。自分たちが否定していることになるではないか。

よく、「国民が~国民が~」と口にするが、マスコミが望む答えを出すのが国民ではない。しかもそれは如何に偏向報道してみても、少数にとどまっているとしたら猶更ではないか。
自らが行うアンケート調査のいかがわしさも、知っていることを暗に示してしまっていることになりかねまい。

いずれにしろ、憲法の改正は以下の手順に従うのであるから簡単にはいかない。
よほど差し迫った事態でも起こらない限り不可能とさえ思えるほどの手順なのである。

日本国憲法の改正手続きは、憲法96条、国会法、日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)(平成19年5月18日法律第51号)に規定されており、主なものでも、
     日本国憲法の改正案の原案を発議するのは国会議員が行う。(国会法68条の2:原案の発議には、衆議院においては議員100人以上、参議院においては議員50人以上の賛成を要する。)
    日本国憲法の改正案の原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行う。(国会法68条の3)
憲法審査会が、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する。(国会法102条の6)
憲法改正の発議には、衆議院、参議院それぞれの議院の総議員の3分の2以上の賛成を要するのであって、両議院の議員全部を合わせた総議員の3分の2ではない。(憲法96条)(衆議院本会議で3分の2以上の賛成、かつ参議院本会議で3分の2以上の賛成、これが成り立つ。【憲法改正発議の条件①】)
憲法改正の発議に関しては、衆参両議院の地位は対等、両院が異なる議決を行えば発議されない。つまり、両院同じ議決を必要とする。
(衆議院から参議院に決議の地位は対等なので、衆参本会議において同じ議決を必要とする。修正議決となれば衆参両院同じ修正議決が必要になる。【憲法改正発議の条件②】 また、両院協議会の設置規定ができた(国会法86条の2)。)
     憲法改正案は、内容において関連する事項ごとに提案され、それぞれの改正案ごとに一人一票を投じる。(国民投票法47条)
     憲法改正は、主権者である国民の承認によってはじめて成立するものとされ、この承認は特別の国民投票または国会の定める選挙の際に行われる投票によってなされることになっている。
(国民投票により、投票総数(賛成の投票数と反対の投票数を合計した数、棄権や無効票の票数は含まれない)の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとされる)(国民投票法98条2項、126条1項)

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