2018年3月29日木曜日

赤い花が咲く蘇芳


蘇芳(すおう)の花が咲きました。




時代小説などを読んでいると、全身を滅多切りされて、蘇芳のように朱に染まって斃れたなどという表現が出てくることがあります。
インド・マレー原産のマメ科の染料植物としても知られています。
心材や莢にブラジリンと言う赤色色素を含み、この色素を用いてミョウバンで媒染すると赤色、木灰などのアルカリ性水溶液だと赤紫、鉄を用いると黒っぽい紫に染め上がる。
中国などでは、毛織物や絹織物のほかに木材を蘇芳で染めて高価な紫檀のイミテーションなども作られていたという。
日本には奈良時代頃渡来し、独立した染料としても、紅や紫根の代用品としても貴族社会で非常に愛好された。
蘇芳花あるいは蘇芳泡と呼ばれる日本がの絵具としても使われており、紅と同じく心材を煎じ詰めたものを陶器などに塗って乾燥させて用いる。
重ねの色目にも登場し、色目は樹の断面を模した表は薄茶、裏は赤色の通年使用可能な重ねである。


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