2020年7月13日月曜日

独裁者の素人考えで


コロナの後には、砂漠トビバッタの脅威が危惧されているという。2000メートル級の山は越えられないとしていたが、どうやら侵入しているようである。
食料輸入国である中国にとっては大問題となる。

古い話になるが、毛沢東は、ソ連に倣って共産主義革命を果たした後の中国を、一大農業国にしたいと思っていた。
毛沢東主席は権力を掌握するやいなや、コレラ・ペスト・マラリアなどの感染症を防ぐため四害駆除運動を進めた。1950年から1958年までのことである。
北朝鮮の金氏の農業指導の誤りが指摘されることがあるが、それと大差ない。
しかし、おかしいとは思っても、彼の思い込みに異を唱えられる者はいなかった。
運動中に、ドブネズミ 15000万匹・蚊() 1100万キロ・蝿(ハエ) 10万キロを駆除したという。人海戦術の威力は凄まじい。
ここまでの生き物だけなら解らなくもないが、穀物を食べるというので四害駆除にスズメを入れ1億羽をも殺してしまったというのは、かなり見当違いであった。雀は、米を食べるが益鳥としての側面もある。
雀がいなくなった結果、イナゴが大発生をした。
イナゴは巨大な雲のようになって、あらゆる作物を襲い食い荒らした。
1959年からの3年間、この時の害虫の食害で食糧危機に陥り、中国は死者1500万から3000万人、生死不明者1500万人という大飢饉に見舞われたといい、餓死者も多数出たというが、隠蔽されていて実情は判らない。

毛沢東と中国共産党の人類史上最大の愚挙によって4500万人もの国民が死亡し、250万人が拷問・処刑死したとされるが、これでは中国人の面目丸つぶれであろうから、何としても隠すよりない。
しかし、ユン・チアンの『マオ』によれば、当時のナンバー2であった劉少奇はソ連大使に対して、大飢饉が終息する前に3000万人が餓死したと話していたらしい。
そもそも毛沢東は1957517日の党大会で「世界大戦のようだといって大騒ぎすることはない、。せいぜい、人が死ぬだけだ。人口の半分が殲滅される程度のことは、中国の歴史では何度も起こっている。人口の半分が残れば最善であり、3分の1が残れば次善である」と言ってのけて憚らなかった。
これが毛沢東の誇張表現なのか、中国共産党の統治意識なのか、中国人の宇宙観なのか、理解不能というしかない。 
ともあれ、死者4500万人という数だけが問題なのではない。その後も文字通りの愚策・愚行によって耕作地、木、鉄、住居、衣服、生産物まで、あらゆる資源が無駄に浪費されたため、大飢饉後には中国の多くの農村は、比喩ではなく石器時代の生活に戻ってしまったのだとされる。その後の文化大革命でも中国は自らの愚行によって、壊滅的な大打撃を受け、20世紀中は米欧の資本主義国も近隣諸国も中国の脅威どころか存在すら気にする必要がなくなった。
共産主義の一党独裁による弊害であるが、その間、日本は近隣防衛まで米国任せにすることができ、それゆえに資源を経済に投入することで高度成長できたことは、歴史が示す通りである。その間、なまじっか後先の影響を考慮することなく安易に中国を援助し続けたことが、仇として返ってきている事象の数々が、現在の現状である。

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