2020年7月9日木曜日

能天気ではいられない


南シナ海で軍事的覇権を強める中国への“強烈なメッセージ”なのか。
防衛省は、海上自衛隊の潜水艦を南シナ海に派遣し、護衛艦部隊とともに対潜水艦を想定した訓練を実施したと発表した。潜水艦の行動は「極秘中の極秘」であり、今回の公表は極めて異例と言える。同盟国・米国も了解しているとみられる。
国際法を無視して、南シナ海の岩礁を軍事基地化している中国への牽制とともに、中国の具体的行動への“警告”と分析する関係者もいる。米中貿易戦争が激化するなか、中国の軍事的挑発を阻止する狙いなのか?
中国が日本の潜水艦の動きを補足することができないということは、知らしめておいた方が抑止力となる。
中国は反発したが、動揺を隠しきれないのだという。何故なら、日本の潜水艦はこの海域で一度たりとも中国に補足されたことがないとなれば、脅威そのものだからである。。
「自衛隊の訓練は、練度を向上させるためで、どこか特定の国を想定したものではない。南シナ海における潜水艦の訓練は15年前から行い、昨年も一昨年もしている」

中国は南シナ海のほぼ全域に歴史的権利があると、根拠もなく一方的に主張し、独自の境界線「九段線」を引く。
国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は2016年、こうした主張を否定したにもかかわらず、中国は、スプラトリー(中国名・南沙)諸島の岩礁を勝手に埋め立てた人工島に滑走路やレーダーを建設したほか、パラセル(同・西沙)諸島に地対艦ミサイルを配備し、軍事拠点化を進めている現実がある。
オバマ政権が見て見ぬふりを続けた結果であるが、近隣諸国に与える脅威を放置したままでよい筈がない。

一方、中国の潜水艦は潜航したままで日本近海を通過しても、全て把握されてしまっている。
日本側の監視をかいくぐることは不可能であり、太平洋に出ればそこには米軍の艦艇が待ち構えているという連携が構築されている。 
日本の接続水域内(鹿児島県奄美大島の北東)で先週18日、海上自衛隊のP-1哨戒機やP-3C哨戒機、護衛艦「かが」などが、潜ったまま進む海外の潜水艦を発見した。
潜水艦が接続水域内を潜ったまま通過するのを確認したのは2年半ぶりのことで、防衛省はその国籍や目的について「日本側の探知能力に関わる」として明らかにしていないが、政府関係者は「中国海軍の潜水艦とみられる」としている。
先般は原子力潜水艦が日本側に発見されて追尾され続け、たまりかねて浮上して国旗を掲げたという事案があった。そうしなければ、国際法に基ずき撃沈されても文句が言えない状況であった。

お花畑状態の日本人が見過ごしにしているのではないかと危惧するのは、ここの所頻繁に尖閣諸島への侵犯を繰り返す中国が何を目的にしているかを理解できていないこと。
危機感をもって抗議する姿勢を見せる人と、傍観している人を選別するためであると考える方がよい。無関心層や反中国を唱えない人が多くなれば、一気に上陸する目安となるからである。
マスコミは、能天気でいて許される状況ではないと気づかねばならないのである。

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