2017年7月13日木曜日

ネットの声を軽くは扱えない

むかし習ったことに、「新聞は何誌か比べて読み、紙背の意味を汲み取れるようにせよ。」というのがあった。
自分で「書かれていることの言わんとしている真意や論旨を掴み取れるようになれ。」ということであった。
最近はそれに加えて、オブラートに包まれた新聞社特有の言い回しというのがあるから、惑わされずに読み解けとも言われるようになった。
例えば《 A 新 聞 用 語 集 》というようなものが出回るようになり、その用語が出てきたら、何を主張したいのかが簡単に推量できるようになった。

用語集の例をあげると、
◆『 しかし、だからといって 』
=ここから先が本音であるという意味
◆『 議論が尽くされていない 』
=自分たちにとって好ましい結論が出ていないという意味
◆『 国民の合意が得られていない 』
=自分たちの意見が採用されていないという意味
◆『 異論が噴出している 』
=自分たちが反対しているという意味
◆『 政府は何もやっていない 』
=自分たちの好みの行動を取っていないという意味
◆『 内外にさまざまな波紋を呼んでいる 』
=自分たちとその仲間が反対だとして騒いでいるという意味
◆『 心無い中傷 』
=自分たちが反論できない批判という意味。某国で使う妄語というのに似ている
◆『 皆さんには、もっと真剣に考えて欲しい 』
=アンケートなどで、自分達に不利な結果が出てしまったという意味

何回も同じパターンが繰り返されれば、もう完全に裏読みまでされているということになる。
記事の書き方ばかりでなく、最近はそれに加えて、自分に都合の悪い事は無視して、編集などを加えて居直るというのがありそうに見える。
報道しなければ誰にも知られないと思っても、ネット上に画像付きで上がる事実と、報道で扱われることとの差異が明らかであれば、隠しおおせはしまい。
アンケートなどをするときの対象者は、どうも普段ネットなどをしない人たちばかりらしいから、今のところマスコミの思惑通りの流れで世論をリードできるとたかをくくってているように見えるが、それが長く続けられるとはとても思えない。
サイレントマジョリティーの大半を占める若者たち、即ち「静かなる多数派」ともいうべき若い有権者の多くは、強く意見を表明することはあまりないから無視して大丈夫なのだと踏んでいるかも知れないが、彼らは意外に冷静的確にものごとを見ていて、マスコミが如何に煽ろうとも、肝心な時には底堅い保守的な判断を示すことが多い。
大義と志がどこにあるかを見ているネット民を甘く見ていると、どこかで手ひどいしっぺ返しを食らいそうに思える。
新聞離れをしている若者が多くなってきているようにみえるのも、その表れの一つだと感じる。
信頼できないという評価をしているということかも知れない。
誤魔化しを嗅ぎ分ける嗅覚は鋭いし、都合よく編集して提供しても、表面上の事象だけでなく全体像を捉える能力が優れているから、すぐに見破られる。

「おかしいな」と観ずれば、検索して事実関係を調べるくらいのことは苦も無くやってのけるから、今まで通りの手法でリードできると思わない方が良い。兆候は随所に散見できるのである。

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