2013年3月29日金曜日

陰陽道と泰山


泰山府君(たいざんふくん)は、泰山の麓に住まう神であり、鬼を司るということで、陰陽道では特別の響きを持つ極めて重要な神なのだそうです。

山東省泰安市にある中国五大名山の一つであり、主峰の玉皇頂は標高1514メートルといわれる山と同じなのかどうなのかは知りません


陰陽道で泰山府君はお馴染みの神で、泰山府君祭という陰陽道を代表する祭りは、陰陽師安部晴明が始めたものとされるが、平安時代は鬼を異常に恐れたというから、特に宮中で執り行われる朝廷独占の秘祭であった。現在ほとんど民間には伝わっていない。

 

人の命は、魂とともに、泰山府君が司るといわれているため、天皇は、国家を始め臣民を護るために、或いは自らの長寿のために、泰山府君祭を奉祭したというが、その様子を私たちが窺い知ることができない秘術とされる。

その修法には、まず、宗源壇(そうげんだん)、灑水壇(れいすいだん)、太極壇(たいきょくだん)、興与壇(こうよだん)の社壇を設け、天地陰陽五行の祭式を行ない、千秋万歳(せんしゅうばんざい)を祈祷し、祭文(さいもん)を唱え、秘符(ひふ)、鎮札(ちんさつ)が駆使されたという。

 

泰山府君は、地獄の閻魔大王と同一視される向きもある。

小野篁(おののたかむら)が珍皇寺(ちんのうじ)及び福生寺の井戸から地獄に出入りして談合していた閻魔大王は、泰山府君(たいざんふくん)であったのかもしれない。
陰陽道というのは、何年かおきに忘れた頃とりあげられるが、無碍にできない謎めいた話が多い。

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