2015年7月7日火曜日

西洋では獅子、日本では龍が水道水の出口

神社仏閣のお堂の前に、布を編んだ太い綱とともにつるしてある円形の大きな鈴のことを「鰐口」といいます。中空で下方に横長の裂け目があり、参詣者が綱を振って鈴を打ち鳴らします。

ところで、水道の水が出る栓をどうして「蛇口」というのでしょうか?
日本で初めて水道が開設されたのは明治20年。当時は道路の脇に共用栓が設置され、そこから水が供給される仕組みとなっていました。
その頃の共用栓には、ヨーロッパの製品が用いられており、ヨーロッパの水の守護神といえる「ライオン」が水道の口に取り付けられていました。
ヨーロッパを旅行すると、今でも見かけます。

日本でも公共の水飲み場がつくられ、共用栓が設置普及されるようになってくると、日本の水の守護神、「龍」を模したデザインが用いられるようになっていきました。
ただ、龍はあくまで架空の生き物。もともとはヘビがもとになっているといわれています。
そこで、蛇の名をとり、この共用栓は「蛇体鉄柱式共用栓」と名付けられました。

その後、共用栓から専用栓へと普及が進むようになってきた際に、専用栓は「蛇体鉄柱式共用栓」を小さくしたものであるため、水道の口のことをを「蛇口」と呼ぶようになりました。

口のつくものは、蛇口・鰐口・蝦蟇口などいろいろありますが、悪口は良くない口です。


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