2016年10月9日日曜日

左官は知っていても右官が何か知らない人は多い

壁を塗る職人を左官と呼ぶのは知っているが、大工さんのことを右官と呼ぶのだと知っている人は少ない。

大工さんの技術である「木組み」にはいろんな木の接ぎ方があるが、釘を1本も使わないでそれをすることに、世界の大工さんたちは仰天するのだという。
材木を何本かつないで、どこでつながれているのか判らない仕上がりで長い材木にしてしまうのは、確かに圧巻です。

大工さんは、それぞれの木の性質をよみ、たとえ年月がたってもその木が生きるような使い方を導きだし、材同士をより強く美しく組み上げるため、プレカットでは対応することのできない継ぎ手・仕口の加工を施している。
そのように手刻みされた継ぎ手・仕口は木材の変形・被衝撃が起こっても破壊されにくく、また、「木組み」ならではの貫(柱と柱を横木で貫いてつなぐ部材)は地震などによる衝撃を分散し、一気に倒壊してしまいにくい粘り強さを生み出します。
美しく組み上がった木組み構造には圧倒的な信頼感があるのです。

古い神社仏閣が形をとどめているのは、そういう技術があってこそのことである。
古来より日本の職人たちによって受け継がれ、洗練されてきた伝統工法であるが、後継者がいなければ絶えてしまう。
職人が大切にされた時代の日本は、文化が発展したように思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿