2017年6月3日土曜日

読み聞かせ童話「棚から牡丹餅」

神棚の下で寝ていたら、神様にお供えしてあった、ぼた餅が、たまたま開けていた口の
中に 入ってしまいました。
略して「たなぼた」とも言いますが、思いもかけなかった幸運が、何の苦労もなく自分
のところにもたらされたときに言われる言葉です。
今と違って、昔は、ぼた餅が、とても貴重な食べ物で、 滅多に食べられませんでした。
食べたいな、食べたいなという気持ちが強くて、牡丹餅が落ちてきたらいいな、という
願いから出てきた言葉のようです。
このような幸運は、簡単に起こることでしょうか?

皆さんが童謡で歌って知っている「まちぼうけ」も、同じようなお話しです。
ある日お百姓さんが山の畑で働いていると、山から出てきたウサギが、坂道を駈け下り
るときに転んで、切り株に頭をぶっつけて気絶してしまいました。
それを見たお百姓さんは、何の苦労もなく兎を捕まえることができたのに味をしめ、そ
れからは、そのお百姓さんは、畑に出かけても仕事をしないで、ウサギが出てきて転ぶ
のを、寝てまっているようになりましたが、二度とウサギを捕まえることはありません
でした。
そのお百姓さんの家は、どんどん貧しくなっていきました。

何の努力も、何の働きも、何の学びもしないところには、何の幸運も訪れないのです。

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