2017年6月1日木曜日

童話「テントウムシとテントウムシダマシ」

お外に出ると、赤い背中に黒い斑点(はんてん)を7つつけた小さな虫を見ることがあ
ります。そうです。テントウムシです。
でも、テントウムシはこればかりではなくて、日本には200種類もの仲間がいるのだ
といいます。世界中ということになるともっと多くて、4500種類もいるのだそうです。
てんとう虫は、漢字で書くと天道虫。この天道とは、太陽とか太陽神のことをいう言葉
ですから、昔の日本人はてんとう虫のことを、神様に近いいきものだと思っていたのだ
と思います。
てんとう虫は、高いところにトコトコ登って行って、そのてっぺんから空に向かって飛
んで行きます。
その姿が、まるで太陽に向かって飛んでいくように見えるので、その名が付いたのだと
いわれています。
ハエや蚊が体に止まるのはいやがられますが、テントウムシが止まるのは、縁起が良い
といってよろこばれます。
日本人にとってばかりでなく、世界の多くの国でも、幸運をもたらすムシ、神様の使い
としてやって来たムシとして、大切にされているようです。
アメリカでは、家の中でてんとう虫を見つけると幸運のさきぶれだと考えられていて、
その星(斑点)の数だけお金が舞い込んでくると言われていまし、フランスでは、てん
とう虫が止まると、どんな心配事も一緒に飛んで行ってしまうということになっていて、
とても喜ばれます。
ベルギーでは、若い女の人にてんとう虫が止まると、一年以内に結婚すると言われてい
るようですし、スイスでは、夫婦に赤ちゃんが授かる前ぶれだと言われています。
アジアの多くの国々では、てんとう虫は人の言葉がわかる生き物であると思われていて、
とても大切にされているといいます。
そればかりではなくて、てんとうむしは、野菜につく害虫のアブラムシやカイガラムシ
などを餌として食べるので、人の生活の役に立つ益虫(えきちゅう)でもあります。

ところが、テントウムシによく似たテントウムシダマシというナスやジャガイモの葉っ
ぱを食べてしまう害虫がいるのです。
テントウムシダマシは、褐色(かっしょく)の背中に、28個の黒い斑点があり、テント
ウムシと比べると、色がキレイではありません。さわると、黄色い液をはきます。

「だまし」だとか「もどき」だとかいって、本物になりすますものが、どんなところに

もいることも知っておかねばならないことになるのです。

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