2017年6月22日木曜日

児童向け読物「お地蔵様」

お寺の境内や道路の辻などいろんなところで、お地蔵様をみかけることがあります。
地蔵菩薩が本来居るところは、仏教世界でいうところの兜率天といわれる高い場所だと
いわれています。
地蔵場札は、お釈迦様が死んでしまうと現世に仏が不在となってしまう為、57600
年後か567000万年後に弥勒菩薩が出現して人々を救うことができるようになるまで
の間、お釈迦様の依頼を受けて六道すべての世界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・
人道・天道)に現れて衆生を救うことになった菩薩であるとされているのです。
どんなところにも自由に行き来できますし、その場その場によって姿を変えて現れるの
だといわれています。
自分のことではなく、人々を救うということがお役目です。
人々は親しみをこめて、「お地蔵さま」とか「お地蔵さん」と呼びますが、正式にはイン
ド生まれの 地蔵菩薩は、サンスクリット語(インドの古典言語)で、クシティ・ガルバと
いうのだそうです。
クシティは「大地」、ガルバは「胎内」という意味があることから、「大地の母胎」を意
味する漢字に意訳して 地蔵 と言われるようになったのだそうです。
色々なものに姿を変え、人々の苦悩を大きな慈悲の心で包み込み救って下さるのですが、
妊婦の安産を守護すると言う「子安地蔵」、災難にあった人の苦しみを身代わりになって
引き受けてくれる「身代わり地蔵」、集落や村の境界や道の辻を守る「道祖神」としても
祀られているので、特に身近な仏像として知られています。
六道 (地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)で生まれ変わりを繰り返し、そ
こで苦しむ人々を救ってくれると言わている六体並んだお地蔵様を「六地蔵」と呼びま
すし、生まれる前の水子(中絶、流産、死産してしまった胎児)の供養の役割をするのが
水子地蔵です。
それなのに人間は、どうしても損得でものを考えがちです。損得を考えるのが悪い事だ
とはいいませんが、どんなことでも行き過ぎると苦しみを生みます。
自分の中にいる神様がそれをご存知だから、少しは反省しなさいといっているのかも知
れません。
日本のように長い歴史があって、お互いに助け合って生きてきた国の人々は、いざとな
ると、自分のことを抜きにしても人様のために尽くそうとする人が大勢現れます。
日本では当たり前でも、世界の人々は、それを見て驚くのです。

長い間に培われた文化は、自然に人間性を高めているのです。

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