2017年6月6日火曜日

童話「太郎ちゃんのお散歩」

太郎ちゃんはまだ幼稚園に上がる前です。一つ年上のお姉ちゃんマミちゃんと一緒に、
お祖母ちゃんに連れられて、近所のシャクジイ公園にお散歩に出かけました。
大きな池をぐるっと回る途中に、弁天様をおまつりしたお堂があって、その傍の東屋の
ベンチが、いつもの休憩所です。
そこに着くと、黄色い小さなリュックサックを降ろして「ぼく、ジュースを飲む。」とお
祖母ちゃんに言いました。
マミちゃんも小さな赤いリュックサックを肩から降ろしました。
お祖母ちゃんはにこにこ笑いながら優しく手伝いました。
東屋には、太郎ちゃんのお祖母ちゃんより少し若そうなおばちゃんとおじちゃんが、先
に休んでいました。
太郎ちゃんは、ジュースと一緒にアンパンも取り出しました。
太郎ちゃんは、そのアンパンを小さな手で二つにちぎると、その一つをおばちゃんに差
し出しました。
「あら、分けてくれるの。ありがとう。」と言っておばちゃんは喜んで受け取ると、それ
をまた半分に分けておじちゃんに渡しました。
「じゃあ今度はおばちゃんからのお返しね。」と言って、自分で焼いて持ってきていたシ
フォンケーキを3切れと、チョコレートをあげました。
「ありがとう」ときちんとご挨拶して、お祖母ちゃんに渡しました。
五人はすっかり仲良しになりました。
「一緒に鯉にも餌を上げましょう。」とおばちゃんが言って、パンクズを太郎ちゃんとマ
ミちゃんに手渡しました。

池にいた大きな鯉たちも大きな口をあけて、喜んでたべました。

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