2017年6月9日金曜日

童話「かわらんべ」

「かわらんべ」とは何のことでしょう?
そうです。河童(かっぱ)のことです。「かわわらべ」と漢字では書きます。
信州の天竜川には「かわらんべ」が住んでいて、川の深いところで泳いでいるとかわら
んべに引き込まれて溺れてしまうから気を付けるようにと、大人たちは子供に教えまし
た。河童は、人間の尻子玉が好物で、それを抜かれると人間は死んでしまうのだという
ことで恐れられていました。
誰が見たのか、河童の体格は子供のようで、全身が緑色をしていて、頭のてっぺんには
丸い皿がついているのだと言われていました。
そのお皿は円い形をしていて、いつも水で濡れており、皿が乾いたり割れたりすると死
んでしまうのだとも言われていました。口は短いクチバシのような形をしていて、背中
には亀のような甲羅を背負っていて、手足には水掻きがついているので、泳ぎは早いの
だと言い伝えられていました。
見たこともないのに、河童には肛門が3つあり、傍によると生臭いと、まことしやかに
いう人もいて、子供たちは川で遊ぶときには注意されなくても、流れの速いところや深
いところには近づかないようにしていました。
昔の大人たちは野良仕事が忙しくて、子供たちと一緒に遊ぶことができませんでしたか
ら、子供たちが自分で気を付けるようにさせるためには、いろんな知恵を働かせたのだ

と思われます。

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