2017年6月2日金曜日

韓国時代劇三大悪女

TVのチャンネルを捻ればよくやっているので、韓国の王朝ドラマを見ることがある。
そんなものを見るのはやめたほうが良いという意見もよく聞くが、かの国の思考回路を理解するのには、なかなかためになる。
時代考証がめちゃめちゃなことは、最初から判っているから、それは抜きということにしている。
例えば、煌びやかな衣装については、そもそも染料が買えなかったから、そんな染色技術がなかったであろうことは言うまでもないし、100年前の写真が多数現存していることから類推しても、首都といえど不潔な風景であったことは想像できる。
ドラマでは、精一杯頑張って飾り立てた映像を流すが、そんな筈はないと値引きして見る。

ドラマに共通するのは醜い権力闘争と、生き延びるための理屈のつけ方が論理的ではなく、感情的ご都合主義と、権力者の恣意的な言動のオンパレードであり、残酷であること。
とても共通認識など構築できなさそうに思えてしまう。

手を変え品を変えて描かれるのは、朝鮮王朝時代の三大悪女。
「張禧嬪(チャン・フィビン)
「張緑水(チャン・ノクス)
「鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)」の三人。

「張禧嬪(チャン・フィビン)」は、李氏朝鮮19代の君主、粛宗(スクジョン 在位1674-1720)の側室で、元の名前をチャン・オクジョン。「ヒビン」というのは、側室としての位階のこと。
家門の没落から這い上がって宮女(女官)となり、君主の寵愛を受けて、宮中で権力を振るうが、その後転落してゆくという波乱万丈の生涯として、何度もドラマ化されている。

「張緑水(チャン・ノクス)」は、燕山君の側室として淑媛の位を授かり、色仕掛けで燕山君を意のままに従わせたのだとされているらしいが、宮中で権力を欲しいままにした。

「鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)」は、正妻ではなく側妻の娘として生まれ育ち、嫡出子でないことで卑しめられるが、生まれ持った美貌と聡明さで、宮中に上がり、「宮廷女官 チャングム」のドラマでお馴染みのチャングムが仕えた中宗の妃である文定王后(ムンジョンワンフ)の側近となって力をたくわえた。
ナンジョンは、極めて権力志向の強い女性であり、その野望は飽くことを知らなかったという。
多くの人を利用し蹴落としながら、権力の中枢にのし上がってゆくが、最後は哀れである。

これらの悪女と結託して権力を維持しようとする男たちの裏切りにつぐ裏切りの姿が何とも受け入れがたい。術策に嵌り陥れられて政争に敗れると、一族全てが生きられないか奴婢の身分に落とされ辱められる。先祖の墓まで暴く。
そんな憎しみがどのように湧くのか理解できない。

そういうことが普通なのだということは知っておいた方がよさそうである。

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