2013年5月19日日曜日

仕事の仕上げにひと手間かける


ひと手間かける

 息子のプラハでの知人に、これはもう半端ではない日本通がいます。

彼は刀の鍔の蒐集でも日本人ですら驚いてしまうほどの域に達していて、本を出版しているほどです。

その彼に、息子が気に入っていた和食器をプレゼントしたところ大層喜んで、手に包みこんで矯めつ眇めつしばらく見入ったあと、糸尻にある銘のところに微かに色が挿してあるのに気付いて、「これはどうしてなのか?」と尋ねたのだそうです。

 

こういうのを、日本人は「ひと手間かける」っていうんだよね。と答えると、「ひと手間って何か?」と更に聞かれたという。

 

日本人は、工芸品でも料理でも、作るときに何もそこまでやらなくてもいいだろうという仕上げの部分に拘りを持つ。「あなたが知っているオタクという言葉の良い意味での突き詰め方といえば解りやすいかも・・・。さりげないところに趣を込める。」

 
彼は、今後の講演などで「ひと手間かける」という日本の文化を広めたいと、嬉しそうに帰っていったのだとか。

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