2017年5月19日金曜日

童話「猫会議」

夜になると、近所の広場に、そのあたりに住んでいる猫たちが沢山集まって、猫会議が
ひらかれます。
子供の皆さんが寝てしまってからの時間だから、知らないかも知れませんが、見たこと
がある子がいるかもしれません。
猫たちはお互いが少しずつ離れて静かに座り、鳴いたり騒いだり喧嘩をすることはあり
ません。
そのときは、野良猫も家で飼われている猫も、地元の猫はみんな集まるのです。
いつひらかれるのか、どうして集まるのかは、誰にもわかりません。
一体何を相談しているのでしょう?
でも、もしも見かけたら、決して邪魔をしないでそっとしておいた方がよいそうです。

野生猫はたいてい一匹でいることが多く、ふだん、大人の猫ならオスでもメスでも、自
分だけの「縄張り」をもって生きています。
その縄張りにほかの猫が入ってくるとものすごい喧嘩になるのは、他の野生動物と同じ
です。ふだんおとなしい猫でも、その時は真剣になります。
野生猫がほかの猫と暮らすのは、母猫と子猫のつながりがあるときだけです。
「ねこっかわいがり」という言葉がありますが、母猫は子猫を舐めるようにして可愛が
ります。
小さいときに可愛がられると、自分で生きていく力がつくといわれますが、大きくなっ
たのにいつまでも甘えていることはゆるしません。

子猫が育ち、自分で狩りができるようになると、子猫は、母猫の縄張りから出ていき、
どこか別の場所に自分の縄張りを築きます。
メスの子猫なら、母猫の近くに自分の縄張りを築いて暮らすこともありますが、オスの
子猫の場合、どこか遠くへ旅立っていきます。

「縄張り」の広さは、ネズミなどの獲物が多ければ、狭くても十分なのですが、餌にな
る獲物が少ないところだと、広い縄張りが必要になります。
すてられたりして野良猫になってしまった猫は大変なのです。
子猫は、うまれてから7日くらいの間に人に飼われないで育つと、もう決して人になれ
ることはないのだそうです。
可愛がって育てると、なついてそれはかわいい猫になります。大事にすれば20年くら
いは生きています。

ペットをかうときは、命の大切さにこころがけましょう。

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