2017年5月26日金曜日

子供は残酷?

幼い子供というのは、時にとても酷いことを言っているように聞こえるときがあります。

お祖母ちゃんと幼い孫娘が連れ立ってお出かけをしているときの会話が耳に入ってきました。
普段から可愛がり可愛がられている様子が見て取れました。
お祖母ちゃんがつけているキラキラ光るアクセサリーが、孫にとっては欲しいもののようで
あった。
「お祖母ちゃん、これ頂戴。」
「今はまだ駄目よ。でもお祖母ちゃんが死んだら、貴方にあげるわ。」
「やったー。」孫は大喜びして手を叩いたのだが、そのあとに続いた孫の言葉に周りが凍り
付いた。
「それじゃあお祖母ちゃんいつ死ぬの?」

それに似た話というのがある。
お爺さんが臨終まじかの床に臥せっていた。親族が集まり、枕頭に侍って沈鬱な表情で息を
潜めていたとき、幼い孫が突然その静けさを破った。
「ねえ、お祖父ちゃんまだ?」
まだ死なないのか、ともとれる言葉に、周りはぎょっとして顔を見合わせた。
しかし、続いて言った孫の言葉は「お祖父ちゃんまだ起きないの?」であった。

幼い子を残して死んだ親の葬式で、涙をさそうのは、悲し気にうちしおれている子の姿を見
るより、何事が起ったのかまだ理解できず、親戚が大勢集まったことに喜んではしゃいでいる
様子を見たときであるといわれる。
核家族化して久しく、まわりに死というものに触れる機会が少なくなったこともあるのかも
知れないが、誰が教えなくても自然に身に着くそういうときの振る舞いというのが、いいか悪
いかは別にして判らなくなってきた時代ともいえる。
平均寿命が延びたこともあって、大人だって我が身のことを敢えては考えなくなっている。


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