2017年5月19日金曜日

助長して枯らす

「助長」という語は、かなり間違った使い方をされていることが多いようです。
そもそもは、急速に成長させようとして無理に力を添え、かえって成長を妨げること」というのが、由来からくる意味であって、「手助けをする」という良い意味ではない

「助長」という語が出てきた 白文(漢文原文)は、

宋人有閔其苗之不長而揠之者。
芒芒然帰、謂其人曰、
「今日病矣。予助苗長矣。」
其子趨而往視之、苗則槁矣。
天下之不助苗長者、寡矣。

書き下し文として読むと、

宋人(そうひと)に、其の苗の長ぜざるを閔(うれ)へて之を揠(ぬ)く者有り。
茫茫然として帰り、其の人の謂ひて曰はく、
「今日病(つか)れたり。予(よ)苗を助けて長ぜしむ。」と。
其の子趨(はし)りて往きて之を視れば、苗は則ち(すなわち)槁(か)れたり。
天下の苗を助けて長ぜしめざる者、寡なし。

現代語訳にすると

宋の国の人で、(畑の)苗が成長しないのを憂いて、これを引き抜く者がいました。
(疲れはてたのか)茫然とした様子で(家に)帰り、其の家の者に言うことには、
「今日は疲れた。私は、苗が生長するように助けて伸ばしてやったんだよ。」

其の人の子が小走りで(畑に)行って苗を見たところ、苗は枯れてしまっていました。

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