2017年5月10日水曜日

約束が守られない「話し合い」をしても

終戦後2年ほどしての小学校入学でしたから、今は全く聞かれない言葉だが、まだ「鬼畜米英」という言葉は、そこかしこで聞く表現でした。
敵国同士として戦うには、必要なことだったのだと思います。

しかし、日本が悪かったのだという総懺悔の時代に育ちまぢたから、反省の上に立って、世界各国と今後は平和で仲良くしていかなくてはならないのだと思いました。

戦争から復員してきた人たちの話を聞くことは数多くありましたが、誰もが正々堂々と勇敢に戦ったのだということと、戦地の民間人とは争わなかったということは、等しく語ったことでした。
戦争という異常事態であったのだから、恨みを買うようなことは一切なかったとは思いませんが、どちらか一方だけが悪いということはないのではないかというのが、最近いろいろ読んだりするようになって感じることです。
決して居直って、事実を曲げてまで主張するつもりは全くありません。

復興のために懸命に働いた当初のころ、資源もないところで作る製品は「安かろう悪かろう」と言われていました。
日本の職人魂は、便利で使いやすく丈夫な物をお客に提供するのだという気概を忘れてはいなかったから、段々に日本製品が信用されるようになり、世界でも一流と呼ばれる企業が育ったのだと思う。勤勉で真面目だった。
世界に認められるためには、恨み言や不平を言ってはいられなかった。
そうこうしている間に、平和条約も締結して、友好的な関係を築いていける国々が増えたのだと思っている。

加害者扱いされて来てはいるが、恨みが残っても不思議はないような被害だって蒙っているのを乗り越えようとしてきた。
戦争とはそういうものだと思うが、恨みは忘れて先の幸せを求めようとしたといえよう。

しかし、何十年も努力を重ねてきても、何時まで経っても友好的な話が進められない国というのがある。
少なくとも平和条約を締結したら、それは民間でいえば示談とおなじことであり、以降は蒸し返すことはしないということでないと、法的安定性は得られない。
自分の主張ばかりで、話を聞く気もない相手と、如何にして話し合いをしようというのだろうか。
約束というのは、双方が守るのでなければ意味を持たないと思うのだが・・・

北朝鮮は、核兵器の開発をやめることを条件にして、諸国から経済援助を受けた筈だが、それを破って核爆弾やミサイルを開発し続けたし、拉致問題の解決を約束して日本からの援助をうけた。それらを反故にしたから、経済制裁を受けているのではないのか?
韓国は、新しい大統領のもと、日韓合意を反故にする構えでいる。
約束を守らない国と、一体何を話し合うというのだろう?

脅威は日増しに増してゆくが、有効な手立てが見つからないのがもどかしい。

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